色聴者判定テスト > 共感覚の詳細な解説 > 共感覚者の脳活動計測

このページでは、共感覚の科学的で詳しい説明を行っています。
簡単な解説をご覧になりたい方は、『共感覚とは』 もご覧になってください。

共感覚の詳細な解説 目次

共感覚の従来の見解
共感覚の特徴
 シトーウィックによる共感覚の5つの特徴
 ハリソンによる共感覚の4つの分類定義
共感覚の発生原因
共感覚の発生頻度
共感覚と遺伝との関連
共感覚の個人間の相違
共感覚者の脳活動計測 ←今はここ
参考文献

共感覚者の脳活動計測

脳活動を調べる技術にはSPECT、PET、fMRI等があり、その全ての技術に共通した仮定がおかれている。 それは、脳は負荷がかかるほど、その負荷がかかる部位の神経活動に伴う局所脳血流量の増加、すなわち、 Neurovascular couplingが観測され、負荷がかかった部位がそうでない部位よりも酸素をたくさん消費するだろう、というものである。 つまりその仮定によると、もしある脳部位への血流の増加が観察されたならば、それは、実験参加者がそのときしていたことに関わる活動に、 その部位が使われていることを示している。計測される変数は、部分脳血流(rCBF)という名前で知られている。 ジョン・ハリソンは、他の研究者や自身が共感覚者の脳機能画像診断を行った結果について、科学的な立場での検証を行っている[4]。 以下にその要約を示す。また、他の研究者らによって行われた脳機能画像診断結果について概要を述べる。

SPECTを用いた計測

シトーウィックは、味に形を感じる共感覚者の脳血流をゼノン133を用いたSPECTで検査した結果を、詳細に報告している[1]。 この検査では、共感覚者が共感覚を感じるような刺激を与えられたときの脳活動は、共感覚を持たない人が同じ刺激を与えられたときの 脳活動とは異なっている、という仮定を証明するために行われた。その実験によると、共感覚を引き起こす検査課題を行っている 被験者の左半球の血流が、通常ではありえないほど減少していたことが報告されている。脳機能画像診断において、検査課題での血流が、 統制課題での血流よりも予想外に減少してしまうのは珍しくないが、この被験者の場合は、その減少レベルの大きさが異常だったと報告されている。 この計測結果に対してのシトーウィックの解釈は、共感覚は皮質ではなく、辺縁系に局在している、というものだった。 この解釈は、皮質で減少した血流は、辺縁系で消費されたという仮定に基づいている。しかしながら、上記の結果は、 共感覚が辺縁系に局在しているという直接的な証拠とは言えない。その理由は、ゼノン133を用いたSPECTで起きる放射性同位体の崩壊で 放出される光子のエネルギーレベルが比較的低いため、脳の深部にある辺縁系の画像化をするのは難しいからである。 また、SPECTの空間分解能はPETと比べて相対的に低い。

PETを用いた計測

ジョン・ハリソンらのグループは、単語に対しては共感覚があるが他の音には共感覚のない複数の共感覚者の脳血流をPETで検査した結果を報告している[4]。 この検査は、共感覚者とそうでない人が同じ刺激を与えられた場合に、脳活動に違いが見られるかどうかを確認するために行われた。 この検査では、参加者の脳が処理する視覚情報の量を減らすため、参加者は目隠しをされて検査されている。その実験によると、 統制群の被験者と比較して、共感覚者が単語を聞いているときにより強く活動した部位は、 左下側頭皮質、右前頭前野皮質、島、上側頭皮質、両側頭頂-後頭境界部位であったと報告されている。 これらの部位のうち、左下側頭回後部は、色に注意を払わなければならない場合や、色と言葉と形を統合する能力を使う場合に活動することが 示唆されているため、この脳部位に活動が見られたのは興味深いと考察している。しかし、ジョン・ハリソンが予想していた、 ヒトの色中枢(舌状回と紡錘状回)での有意な血流増加は観測されなかった。活動の見られた他の部位について、 そのような部分脳血流の有意な変化がなぜ起こったのか、よく分からないとも述べている。

fMRIを用いた計測

ジョン・ハリソンは、匂いに形を感じる共感覚者と、音に色を感じる共感覚者についてfMRIを用いた血流測定を行っている[4]。 この検査は、共感覚者が共感覚を感じる刺激を与えられた場合と、共感覚を持たない人が同じ刺激を与えられた場合を比較したときに、 脳活動に有意差が見られるかどうかを測定するために行われた。匂いに形を感じる共感覚者では、 特別な脳活動を示す結果は得られなかったと報告されている。音に色を感じる共感覚者では、視覚野の一部であるV8と呼ばれる脳部位での活動が 計測されたと報告されている。V8は、色処理に特化した脳部位の1つであると言われている。

ここからは、私が読んだ論文を私が要約したものです。

高橋理宇眞らのグループは、音による共感覚者に音楽を聞かせた場合のfMRIによる計測を行っている[5]。 この実験は、共感覚者とそうでない人が音楽刺激を与えられた場合に、脳活動にどのような違いが見られるかを確認するために行われた。 その実験によると、色聴者固有の賦活領域として、紡錘状回および上前頭回が抽出され、紡錘状回において色知覚に関わる V4、V8付近で有意な活動がみられたと報告されている。この結果から、音による共感覚が、聴覚系と視覚系の直接的な相互作用により生じている 可能性が示唆されている。また、左紡錘状回が右に比べて広く賦活していることから、音の共感覚は左紡錘状回が相対的に重要な役割を 担っている可能性について言及している。

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